■ドヌーブさん「これ以上コメントしない」

 ソーシャルメディアの反応は一様に激しいもので、ドヌーブさんの「#MeToo」運動に対する見解は、フランスや英国をはじめ欧州の大半でツイッターのトレンドとなっている。

 とりわけ公開書簡で「地下鉄車内で体を触られるのは(一部の女性にとっては)取るに足りないこと」、女性を口説く男性の権利は性的自由には欠かせないと主張している内容は、激しい怒りに火を付けた。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)の風刺漫画家、コリーン・ドラン(Colleen Doran)氏は、「もしカトリーヌ・ドヌーブさんが、極めて美しく、とても裕福な白人女性という非常に大きな特権の恩恵を受けながら生きてこなければ、全く違う意見を持っていたかもしれない」とツイッターに投稿した。

 また米小説家のライラ・ララミ(Laila Lalami)氏は、こうした考え方は、「ウディ・アレン(Woody Allen)監督やハーヴェイ・ワインスタイン氏といった男性たちがのさばり続けた理由を明白に説明している」と指摘している。

 しかしすべての人々が反発しているわけではない。米国の研究者で「誰がフェミニズムを乗っ取ったのか?(原題:Who Stole Feminism)」の著者であるクリスティーナ・サマーズ(Christina Sommers)氏は、ドヌーブさんは「『#MeToo』運動は行き過ぎだ」と主張しているにすぎないと擁護している。

 ドヌーブさんの広報担当者はAFPに対し、今回の論争について「本人はこれ以上コメントするつもりはない」と述べている。(c)AFP/Fiachra GIBBONS