【1月9日 AFP】米海洋大気局(NOAA)は8日、火災や寒波、洪水、ハリケーンに相次いで見舞われた同国で昨年、自然災害による経済損失が過去最大の3060億ドル(約34兆6000億円)に達したとする報告書を発表した。

 これによると、昨年は被害額が10億ドル(約1130億円)を超える災害が16件発生。死者は合わせて少なくとも360人とされているが、専門家らは、米自治領プエルトリコ(Puerto Rico)を襲ったハリケーン「マリア(Maria)」による死者数が確定した段階で、犠牲者数が大幅に増える恐れもあると指摘している。

 2016年以前で、天災による経済損失が最も大きかったのは2005年の2150億ドル(約24兆3000億円)。その大半が「カトリーナ(Katrina)」、「ウィルマ(Wilma)」、「リタ(Rita)」という3つのハリケーンの被害によるものだった。

 だが昨年のハリケーン被害総額はこれをさらに上回り、同国史上最悪の2650億ドル(約30兆円)となった。

 中でもテキサス州に約1270ミリの総雨量をもたらしたハリケーン「ハービー(Harvey)」による被害額は1250億ドル(約14兆1000億円)に上り、史上最悪の1980年のハリケーン「カトリーナ(Katrina)」に次ぐ損失を出した。

 またプエルトリコの大部分に壊滅的な被害をもたらした「マリア」の経済損失は900億ドル(約10兆2000億円)で史上3番目、さらにカリブ海(Caribbean Sea)一帯とフロリダ州を直撃した「イルマ(Irma)」が500億ドル(約5兆6500億円)で5番目の規模となった。(c)AFP/Kerry SHERIDAN