【1月4日 AFP】2016年の米大統領選でドナルド・トランプ(Donald Trump)陣営の選対本部長を務めたポール・マナフォート(Paul Manafort)被告(68)が3日、ロシア政府による大統領選干渉疑惑を捜査するロバート・モラー(Robert Mueller)特別検察官と司法省が権限を逸脱した捜査を行っているとして、提訴した。トランプ氏を窮地に立たせているロシア疑惑の捜査に重大な影響を及ぼす可能性もある。

 マナフォート被告は昨年10月、ウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ(Viktor Yanukovych)前大統領のために米国内で行ったロビー活動をめぐり、脱税やマネーロンダリング(資金洗浄)など12の罪で起訴されている。

 訴状によると被告側は、司法省のロッド・ローゼンスタイン(Rod Rosenstein)副長官がトランプ陣営とロシアの共謀疑惑に対する捜査でモラー特別検察官に過度に広範な権限を与えたと主張。モラー特別検察官について、選挙の数年前に行われ、同疑惑と「まったくつながりのない」ヤヌコビッチ氏関連の活動に関連して捜査したとしている。

 ローゼンスタイン副長官は、元連邦捜査局(FBI)長官のモラー氏の特別検察官任命に当たり、「捜査から生じた、もしくは直接生じる可能性のあるあらゆる事柄」について調べる権限を付与している。マナフォート被告の訴えが認められれば、モラー特別検察官の権限が制約される可能性がある。(c)AFP