■教員の育成・能力開発を称賛

 世界銀行(World Bank)が2016年に出した報告書「How Shanghai does it: Insights and lessons from the highest-ranking education system in the world」(上海はどう成し遂げたか:世界最高ランクの教育制度の洞察と教訓)は、質の高い教育が上海の学校の成功の理由だとして、厳しい教員養成と教員の継続的な能力開発を称賛した。

「上海の教育制度で最も印象的なことの一つは、学校教育向上の核心をなす教員の育成・支援・管理の在り方だ」(同報告書)

 また同報告書は、児童・生徒の成績について学校に説明責任を負わせ、成績の良い学校に成績の悪い学校の管理・支援をさせる制度も高く評価した。

 中国の他の学校と同様に武寧路小学校は「倫理」や「道徳」も教えている。しかし教師たちは具体的な説明は避け、中国共産党の基本方針や今や党規約に書き込まれた「習近平思想」をどの程度の時間をかけて子どもたちに教えているのか、明確には答えなかった。

 子どもたちの首に巻かれていた赤いスカーフが、この子たちはいずれ共産党員になることを示していた。

 小学校はAFPが事前に渡していた質問に答えさせるため、いずれも10歳で成績トップの児童を男女1人ずつ選んでいた。女子児童は、暗記していた回答を英語で息もつかずにすらすらと暗唱した。

 この女の子は学校から帰宅してすぐに2時間、夕食後にさらに3時間宿題をすると話した。テレビを見る時間はないが、宿題が少ない日は米ディズニー(Disney)の映画を見るのだという。

「学校で最悪なことは何ですか?」という質問に女の子は「学校に最悪なことはありません。すべて良いです」と答えた。(c)AFP/Peter STEBBINGS