【12月28日 AFP】米ナショナルフットボール(NFL)のデトロイト・ライオンズ(Detroit Lions)に所属するOTエメット・クリアリー(Emmett Cleary)が、慢性外傷性脳症(CTE)などの頭部の負傷の研究に役立ててほしいと、研究団体に死後自身の脳を寄付することを約束した。

 CTEをはじめとする深刻な脳の損傷は、近年NFLで大きな問題となっていて、2017年にはボストン大学(Boston University)が行った三つの研究で、死後に脳を提供した元NFL選手111人のうち、110人の脳に変性疾患の兆候が見られたことが明らかになった。

 27歳のクリアリーは、研究団体「コンカッション・レガシー・ファウンデーション(Concussion Legacy Foundation)」のウェブサイトで「フットボールに携わる人はみな、この研究に協力的でなければならない。チームメートやリーグの他選手、次世代の選手にも、この研究をサポートするよう促す責任がある」と話した。

 現役選手では他に、シンシナティ・ベンガルズ(Cincinnati Bengals)のオフェンシブラインマン、エリック・ウィンストン(Eric Winston)が今年、研究への寄付を決めている。

 クリアリーは「フットボールは自分の人生にとてつもなく明るい影響を与えてくれた。僕はこのスポーツを愛しているし、ずっと栄えてほしいと思っている。フットボールに関わる人間はみな、こうした研究や長い目で見た選手の幸福を意識し、率先して動かなくてはならない。だとすれば、脳を寄付しない理由はどこにもない」と話している。(c)AFP