■経済的大厄災に見舞われるベネズエラ

 7月30日、ベネズエラの制憲議会議員選挙が実施されたものの、その正当性については野党や国外から疑念が投げかけられている。選挙前には4か月にわたって左派のニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領に対する抗議デモが行われていた。

 広範囲の権限を持つ制憲議会は8月上旬、反マドゥロ大統領の急先鋒(せんぽう)となっていたルイサ・オルテガ(Luisa Ortega)検事総長を解任するとともに、野党が多数派を占めていた国会から立法権を奪った。

 原油価格の暴落によって大打撃を受けたベネズエラは、格付け機関から「選択的デフォルト」状態にあるとみなされている。

■増長する北朝鮮

 ミサイル発射実験を繰り返す北朝鮮は9月3日、6度目かつ過去最大規模の核実験を実施した。

 同国の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長は11月29日、米全土を射程に収める長距離ミサイルの発射実験に成功し、北朝鮮は「核戦力」を完成させたと発表した。

 一方で米政府は「戦争になれば」金政権を「徹底的に破壊する」と威嚇した。

■ミャンマーの少数民族ロヒンギャへの「ジェノサイド」

 8月25日、仏教徒が多数派を占めるミャンマー西部ラカイン(Rakhine)州で、イスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)の武装集団による治安部隊への襲撃が起きたことを受け、同国軍はロヒンギャに対する取り締まりに着手。65万人近いロヒンギャがバングラデシュへと逃れた。

 国連(UN)と米国は「民族浄化」と非難。ゼイド・ラアド・アル・フセイン(Zeid Ra'ad Al Hussein)国連人権高等弁務官は「ジェノサイド(大量虐殺)の要素」をはらむと指摘した。

■カタルーニャ自治州の自治権停止

 スペイン北東部カタルーニャ(Catalonia)自治州で10月1日、同州独立の是非を問う住民投票が実施された。中央政府はこの住民投票を「違法」とみなしている。

 また州議会は10月27日に採決を行い、スペインからの独立を宣言した。

 中央政府はこの事態を受けて、州内閣を罷免。州議会選挙の実施を発表し、自治権を停止した。解任された独立推進派のカルレス・プチデモン(Carles Puigdemont)州前首相は扇動罪および国家反逆罪に問われ、ベルギーへと逃れた。