首相の給与倍増に市民激怒、政府庁舎にネクタイつるす コソボ
このニュースをシェア
【12月27日 AFP】コソボの首都プリシュティナで26日、同国のラムシュ・ハラディナイ(Ramush Haradinaj)首相の給与を倍増する法案が可決されたことに抗議し、市民らが政府庁舎のフェンスにおよそ300本のネクタイを結びつけた。ハラディナイ氏は高級な衣服を身に着けるのも仕事の一部だなどと発言し、物議を醸していた。
国会は先日、ハラディナイ氏の月給を1500ユーロ(約20万円)から3000ユーロ(約40万円)に引き上げる法案を可決した。これに怒った市民らは同氏への抗議と軽蔑の意を示すため、さまざまな色や柄のネクタイやシャツを政府庁舎のフェンスにつるした。
コソボの失業率と貧困率は約30%に上り、一般市民は首相よりもはるかに安い賃金で何とか食いつないでいる状況だ。
ハラディナイ氏は先週行われたインタビューで、「私にはネクタイを身に着ける義務がある。いいかげんな格好では外出できない。シャツも着なければならない」と述べ、法案の可決を擁護していた。
抗議に参加した団体の代表は、ハラディナイ氏に対し「貧困で困っている人たちの代表であることを忘れてはならない」と批判した。
ネクタイを掛けに訪れた退職者の男性(67)は、自身の月収がわずか75ユーロ(約1万円)だと述べ、ハラディナイ氏の行動を「道理に合っていない」と強く非難した。(c)AFP