【12月25日 AFP】(記事更新)女子テニスの元世界ランキング1位で、第1子の妊娠・出産により休養中のセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)が、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで今月末に行われるエキシビション大会でサプライズ復帰することが24日、発表された。

 来年1月にメルボルンパーク(Melbourne Park)で行われる全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2018)への参戦もほぼ確実となった形で、セレーナは同大会でのタイトル防衛を目指すこととなる。

 セレーナは11か月前の全豪オープンで四大大会(グランドスラム)通算23勝を挙げた後、同大会中にすでに妊娠していたことを公表して休養を開始すると、9月に第1子となる娘のアレクシス・オリンピア(Alexis Olympia Ohanian)ちゃんを出産した。

 セレーナは今月30日、ムバダラ・ワールド・テニス選手権(Mubadala World Tennis Championship)で予定されている全仏オープンテニス(French Open 2017)勝者エレナ・オスタペンコ(Jelena Ostapenko、ラトビア)との試合で復帰する予定。同大会はこれまで男子のみが参加しており、女子の試合が行われるのは今回が初めてとなっている。

 セレーナは大会主催団体が出した声明で「アブダビで、娘の出産後初めてコートに復帰できることをうれしく思います」と述べている。

「ムバダラ・ワールド・テニス選手権は、男子のシーズン開幕を告げる役割を長く担ってきた大会です。その大会に女子選手として初めて参加できるのを光栄に思うと同時に、復帰を楽しみにしています」

 セレーナは今年の全豪オープン決勝で姉のビーナス(Venus Williams)を破り、オープン化以後では最多となる23回目のグランドスラム優勝を達成した。当時妊娠2か月だったことを考えれば、信じられないほどの快挙だった。

 元世界ランク1位のセレーナは、マーガレット・コート(Margaret Court)氏が持つグランドスラムの最多優勝記録24勝まであと1勝に迫っているが、休養中にランクは22位まで下がっており、全豪では下位シードからの挑戦を強いられる。

 セレーナの復帰により、マリア・シャラポワ(Maria Sharapova)とのライバル関係の再燃にも注目が集まる。シャラポワ自身は、今年前半に薬物違反による出場停止から復帰。直接対決の戦績では、セレーナがシャラポワを圧倒している。

 全豪オープンについては、大会連覇の経験を持つビクトリア・アザレンカ(Victoria Azarenka)が前哨戦であるASBクラシック(ASB Classic 2018)欠場を表明しているため、セレーナの出場が濃厚になったことは、大会側としてもうれしい知らせとなった。アザレンカは子どもの親権問題が長引き、7月のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2017)を最後にツアーを離れている。

 今回の対戦相手となるオスタペンコは、全仏で衝撃の優勝を飾ってブレークを果たした20歳の新鋭で、セレーナとはこれが初めての顔合わせとなる。

 男子では6人の選手が出場し、こちらもセルビアのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic)が復帰を果たす。グランドスラム優勝12回を誇るジョコビッチは、肘を痛めて長期離脱しており、実戦の舞台はウィンブルドン準々決勝のトマス・ベルディハ(Tomas Berdych、チェコ)戦以来となる。

 一方、世界ランキング1位のラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)、そしてグランドスラム優勝3回のスタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)は、すでに出場辞退を発表している。(c)AFP