【12月24日 AFP】セルビアの首都ベオグラード(Belgrade)で、クリスマスシーズンにあわせて市中心部に設置された大型の人工クリスマスツリーに8万3000ユーロ(約1115万円)もの市の予算が計上されているとメディアが報じたことから、市民の間でも歓迎より不満の声が高まっている。ツリーは世界でも最も高価な部類に入るという。

 問題のツリーは高さ18メートルで、赤いプラスチック製のオーナメント200個と赤と金色のリボンがかけられたろうそく40個があしらわれたもの。市中心部の歩行者専用路に設置されたが、市民は強く反発。官民癒着だなどと非難を招く結果となってしまった。

 このツリーについて、アレクサンダル・ブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領と親しいシニシャ・マーリ(Sinisa Mali)ベオグラード市長は当初、記者団へのコメントを拒否していたが、後になって、ツリーの金額が巨額だと知って驚いていると述べ、ツリーの発注契約をキャンセルする方針だと語った。

 オンラインメディア「ピシュタリカ(Pistaljka)」によると、ツリーの契約が締結されたのはツリーが設置された3日後だったという。ツリーの巨額な設置費用が明らかになったことを受けて、検察当局も調査に乗り出した。

 一方、ツリーの請負会社は契約キャンセルに応じるとし、ツリーの収益は「新年のイルミネーション」のために市に寄付すると発表した。

 現地メディアによると、問題のツリー設置を受注した会社は長年にわたってベオグラード市内の新年のイルミネーションも請け負っているという。

 ベオグラードでは毎年、年末年始のイルミネーションが初秋に設置されてから翌年2月まで放置され、与党セルビア進歩党(Serbian Progressive Party)が多数派の市当局への批判が集まっている。(c)AFP/Katarina SUBASIC