【12月22日 AFP】インド南部カルナタカ(Karnataka)州の村で、幼すぎてまだ話せない2歳の男児が野生のサルの群れと仲良く遊ぶ様子が話題を呼んでいる。

 ハヌマンラングールの群れと奇妙な友情を育んでいるのは、州都ベンガルール(バンガロール、Bangalore)から約400キロ離れた村アラプール(Allapur)に住むサマルト・バンガリ(Samarth Bangari)君。まるで、英作家ラドヤード・キプリング(Rudyard Kipling)の小説「ジャングル・ブック(The Jungle Book)」に登場する動物たちと会話できる少年モーグリ(Mowgli)のようだと、地元でもっぱらの評判だ。

 ある日、村内でサマルト君が20匹以上のハヌマンラングールに囲まれて一人で遊んでいるのが目撃された。サマルト君の両親は近くの畑に農作業に出ており、村人たちはサルがサマルト君を襲うのではないかと心配したという。サマルト君のおじのバラマ・レディ(Barama Reddy)さんによると、ハヌマンラングールが子どもと遊ぶのは「奇妙なこと」だという。

 しかし間もなく、サルたちはサマルト君がそばにいることを喜んでおり、サマルト君の手から食べ物を分けてもらっていることが判明。村人たちは一安心した。

 レディさんによると、サルたちは毎日サマルト君のところに遊びに来るという。「一日も欠かしたことはない。サルたちはだいたい同じに時間に家にやって来る」とレディさん。「サマルトが眠っていれば起こし、それから1~2時間は一緒にいる」

 この奇妙な友情は地元住民の注目を集め、20匹のサルを引き連れて畑の周りをよちよち歩くサマルト君を一目見ようと見物人が訪れるようになった。このサルの群れはきっと子ども好きに違いないと考えた人々が、別の子どもをサマルト君の隣に寝かせてみたが、サルたちは攻撃的になったという。

 サルたちとの「特別な絆」によって、今やサマルト君は地元の伝説的存在と化しているとレディさんは語った。まだ言葉は話せないサマルト君だが、サルの鳴き声をまねることはでき、「誰もがあの子はサルと会話できる特別な子だと考えている」そうだ。(c)AFP