【12月22日 AFP】インターネット上の架空のキャラクターに触発されて友人を殺害しようとしたとして殺人未遂罪に問われた10代の少女に対し、米裁判所は21日、精神科病院への収容25年の判決を言い渡した。少女は罪状認否で起訴内容を認めていた。

 アニッサ・ウェイアー(Anissa Weier)被告(15)は12歳だった2014年、友人のモーガン・ゲイザー(Morgan Geyser)被告と共に、同級生のペイトン・ロートナー(Payton Leutner)さんを19回にわたって刺した上で森の中に置き去りにした。ロートナーさんは自力で森から這い出し、一命を取り留めた。

 犯行の動機について被告2人は、ホラー専門サイト「クリーピーパスタ(CreepyPasta)」で話題となっていた架空の不吉なキャラクター「スレンダーマン(Slender Man)」の要求を満たしたかったと主張した。スレンダーマンは白黒写真の背景に写り込んでいるとされる手足の長い長身の男で、不吉なインターネット・ミームとして拡散したキャラクターだ。

 被告2人は、スレンダーマンの要求に応えなければ家族に危害が及ぶと思ったと述べていた。

 21日に判決を言い渡されたウェイアー被告の量刑は逮捕時にさかのぼって適用され、拘束期間は37歳まで。ただし、医師が十分回復したと判断すれば、裁判所の監督下で早期釈放となる可能性もある。

 ウェイアー被告は判決言い渡しに先立ち、妄想に再びとらわれないようあらゆる努力をすると述べ、事件について深く後悔していることを関係者全員に知ってほしいと訴えたが、マイケル・ボーレン(Michael Bohren)判事は検察側の主張を支持。ウェイアー被告が勾留中も妄想に取りつかれていたことを示す診断書に懸念を示し、法定刑の上限の量刑を言い渡した。

 ゲイザー被告の判決言い渡しは来年2月に行われる予定。同被告も起訴内容を認めているが、精神的な問題を抱えているとの訴えが認められ、既に精神科の病院で治療を受けている。(c)AFP