【12月22日 AFP】イタリア南部シチリア(Sicily)島の警察当局は21日、末期患者3人を殺害し、マフィアがらみの報酬を受け取った容疑で救急隊員の男(42)を逮捕した。同様の事件で他にも複数の救急隊員が警察の取り調べを受けており、犠牲者は50人近くに上るのではないかとみられている。

 男は末期患者らを病院から自宅に搬送する救急車の中で患者の血管に空気を注入した疑いが持たれており、同島カターニア(Catania)で逮捕された。

 テレビ番組内で事件を明らかにしたマフィアの元メンバーによると、男は1人殺害する度に報酬として300ユーロ(約4万円)を受け取っていたという。

 また、同様の事件で別の救急隊員2人も警察の取り調べを受けており、これらの疑惑は「死の救急車」と呼ばれている。似たような方法で殺害された疑いのある犠牲者は50人近くに上るとみられるという。

 元メンバーは「犠牲者らは終末期の患者で、いずれにせよ死ぬ予定だったから犯人は患者の血管に空気を注射した。患者は血栓塞栓症で死んだ」と述べている。(c)AFP