【12月20日 AFP】スペイン1部リーグのアトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)は19日、所属するFWアントワーヌ・グリーズマン(Antoine Griezmann)の側と同リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)が不正に接触したとして、国際サッカー連盟(FIFA)に対して訴えを起こした。アトレティコのクラブ関係者が明かした。

 グリーズマンは6月にアトレティコとの契約を2022年まで延長しており、クラブはバルセロナがFIFAの規定に違反しただけでなく、リーグの品位も損なったと考えている。今季のリーグ戦で、バルセロナは首位に立ち、アトレティコは勝ち点6差の2位につけている。

 クラブ関係者は「バルセロナが当該の選手、およびその周辺に繰り返しコンタクトを取ったことについて、訴状を提出した。彼は長期契約を結んでおり、あってはならないことだ。加えてわれわれの考えでは、これはバルサが首位、アトレティコが2位に位置するリーグ戦にも影響する可能性がある」と話した。

 FIFAの広報も「この件について、アトレティコ・マドリードから訴えがあったことを確認している」と話している。不正があったとFIFAが認めれば、バルセロナは選手の新規登録を禁止する罰則を科される可能性がある。クラブは2015年にも、国外の選手を不正に獲得したとして1年間の移籍禁止の処分を下されていた。

 バルセロナはアトレティコとの交渉を避け、今季終了時に契約解除金の1億ユーロ(約134億円)を支払ってフランス代表のグリーズマンを獲得しようとしているとみられる。

 スペインのスポーツ紙ムンド・デポルティーボ(Mundo Deportivo)は17日、バルセロナのジョゼップ・マリア・バルトメウ(Josep Maria Bartomeu)会長がグリーズマンの家族と面会したと報じていた。

 グリーズマンは2014年にレアル・ソシエダ(Real Sociedad)から加入すると、ここまで公式戦179試合に出場して90ゴールを記録。チームが決勝に進出した15-16シーズンのチャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2015-16)では、準々決勝のバルセロナ戦で2ゴールを決めて敗退に追いやった。

 当のグリーズマンは17日、80年代をテーマにしたパーティーに出席するのに肌を黒く塗り、米国の娯楽志向の強いバスケットボールチーム「ハーレム・グローブトロッターズ(Harlem Globetrotters)」の一員に扮した映像をツイッター(Twitter)に投稿した。

 ところがこれがユーザーの猛烈な批判を浴びた。グリーズマンはすぐに「考え足らずだったことを認める。誰かを傷つけたとしたら謝罪する」とコメントし、写真を削除している。(c)AFP/Kieran CANNING