■日本に着想を得た独自のアイデアも

 AFPが取材に訪れた日、福田さんの工房では、5人の若い実習生たちが、1920年代の英国製チェストをリメークしたワークベンチで作業に取り組んでいた。届いたばかりの皮革を念入りにチェックしたり、靴底を縫い付けたりと、その作業内容は様々だ。

 実習生らは、この伝統的な靴づくりの文化に日本に着想を得た独自のアイデアをそれぞれ盛り込むことにも臨んでいる。

 仏革靴メーカー「ジェイエムウエストン(JM Weston)」の財団によるエクスチェンジ制度を利用して来日したフランス人実習生のクレマンス・ロシャールさん(27)は、自身が京都で見つけた光沢のある花柄の和生地を使い、皮革と組み合わせて靴を仕上げた。

 ロシャールさんの靴について福田さんは、「日本では誰もこういうアイデアは思いつきません」とコメントした。(c)AFP/Etienne BALMER