【12月16日 AFP】リトアニアの首都ビリニュスの国立図書館で、8歳の少女が赤いクッションに座って児童書を声に出して読んでいた。隣で熱心に耳を傾けているのは、真っ黒い毛の雌犬、フラットコーテッドレトリバーのモナ(Mona)だ。

 モナと、その仲間でゴールデンレトリバーのゴンガス(Gongas)は、本を読む子どもたちに、学校の教師が時に身に付けさせることができないような自信や、注目されてうれしい気持ちを与えるように訓練されているセラピー犬だ。

 この試みの取りまとめ役、ビクトリジャ・プケナイテ(Viktorija Pukenaite)さんはAFPの取材に対し、「犬に読み聞かせをしているとき、子どもはストレスを感じません。読み間違いを指摘されたり、ある一節を読み直すよう指示されたりすることもないので、リラックスできるのです」と説明した。

 学校の授業には通常、担当教師がいるが、特別な検査によって慎重に選ばれた犬を相手にした15分間の読書セラピーの主導権を握るのは子どもたちだ。

 毎週行われている犬との読書セラピーには、4歳から12歳までの子どもたち数十人が参加している。

 人口280万人のリトアニアでは、15歳以上の国民の識字率100%を維持する斬新な方法として、昨年このセラピーが開始された。(c)AFP