【12月15日 AFP】世界反ドーピング機関(WADA)は14日、スイス・ローザンヌで各スポーツ連盟及び五輪委員会の責任者を集めた会合を開き、ロシアの組織的なドーピングに関与した疑いがある選手の情報を提供。疑惑が持たれている選手については調査が行われている最中で、名前については公表されなかった。

 WADAの会合では、かつて同機関に認可されていたモスクワの反ドーピング研究所の実験室情報管理システム(LIMS)から入手されたデータベースの情報が、計60の国際団体に手渡された。

 WADAは声明で「データベースは科学捜査で再構築され、その信ぴょう性が認められた。隠されたコンテンツを発見して分析したところ、共有できる貴重な情報であると結論づけられた」と発表。数千件に上る各選手の検査結果が、「暫定的に違反が疑われる分析報告(PAAF)」として関係団体と共有されることになった。

 問題のモスクワ研究所はWADAの規定に反して、母国選手のPAAFをスポーツ省に報告。疑惑が持たれた選手に関しては、同省が「保管」もしくは「検閲」を決めることになっていたという。

 WADA情報部の責任者は「各国際連盟は、WADAを共同パートナーとして調査を進めていくことができる」とすると、「この新たな情報について細かく追跡していくのは、各連盟の手に委ねられている。各連盟はそれぞれのケースに対処していく際に、われわれの助言と指導を受けることができる」と述べた。(c)AFP