■中国の同性愛嫌悪

「25歳になったとき、両親から結婚への圧力が強くなり始めた」と語るシャオションさんは2012年、10歳年上の高校の数学教師と協力結婚をした。その男性のおおらかな態度は彼女に安心感を与えたという。

 だが、白いドレスに黒い巻き髪という装いの自分の結婚写真には今でもぞっとすると話し、その時の動画を見ると「吐きたくなる」と説明した。

 結婚式から数週間以内に、シャオションさんの8年越しのパートナーのシャオツィンさんも、別の男性同性愛者と協力結婚した。

 シャオションさんとシャオツィンさんは、お互いの家族が2人の本当の関係を知っている可能性はあるが、それでも誰も明白な事実を認めたがらないと話す。

 だがシャオションさんは、協力結婚に興味を示す人たちに対し、その後に起こり得る数多くの問題に向けて心の準備をしておくよう忠告する。「ほとんど何も知らない相手と結婚を急ぐ人がいる。でも本当の結婚と同じように、住む場所や子どもを持つかどうかなどの大事なことで合意できる相手、お互いを本当に思いやれる相手との間でしか、(協力結婚も)うまくいかない」

 また同性愛者の権利向上を求める活動家の中には、そのような結婚に賛成しない人もいる。

 中国の「レズビアンとゲイの家族と友人の会(PFLAG)」の阿強(Ah Qiang)さんは、「異性愛者の振りをして社会的恩恵を受けることで、彼らは独りで圧力に直面している他のLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)の人たちを(事実上)見捨てている」ことを指摘する。

 阿さんはAFPの取材に「中国で同性愛嫌悪がいまだに非常に強いのは、異性愛者の人たちが、同性愛を公にしている人を知らないのが理由だと思う」と語った。(c)AFP/Joanna CHIU