豪野党議員、中国との癒着スキャンダルで辞職
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【12月12日 AFP】オーストラリアで12日、中国共産党とつながりを持つ中国人富豪との癒着が取り沙汰されていた野党・労働党のサム・ダスティヤリ(Sam Dastyari)上院議員が辞職した。同国では政府が外国のスパイ活動や内政干渉を阻止するための改正法案を議会に提出すると発表したばかりで、中国から激しい反発を受けていた。
かつて豪政界で強い影響力を持っていたダスティヤリ氏は、自身の電話が情報機関に盗聴されているようだと中国の富豪実業家、黄向墨(Huang Xiangmo)氏に話していたことが明らかになるなど、苦境に立たされていた。
黄氏は労働党と与党・保守連合の双方に献金しており、昨年には黄氏の企業からダスティヤリ氏に対して弁護士費用が支払われている。
ダスティヤリ氏をめぐっては、中国メディアが主催した記者会見に黄氏と一緒に出席し、南シナ海(South China Sea)問題について労働党と異なる見解を述べたとも報じられた。さらに今週に入り、党の外交問題担当者が2015年に香港を訪問した際、民主活動家らと面会をしないよう圧力をかけていたとして同氏への非難が集まっていた。
オーストラリアでは、国の情報機関の調査で2年前に大物政治家が中国当局とつながりを持つ富豪2人から献金を受けていたことが発覚したとメディアが報道。これを受けてマルコム・ターンブル(Malcolm Turnbull)首相が調査を指示し、スパイ活動や内政干渉の阻止を目的とした改正法案が発表されたばかりだった。(c)AFP