■アナリストは課題を指摘

 しかしアナリストは、ヤマルLNGプロジェクトには依然としてリスクが残っていると指摘する。エネルギー分野の調査・コンサルティング会社ウッドマッケンジー(Wood Mackenzie)の石油・ガスの専門家サミュエル・ルサック(Samuel Lussac)氏は、プラントが北極圏の厳しい環境下で順調に操業できるのか今後数か月で明らかになるとの見解を示すとともに、LNGの主要輸送ルートとしての北極海航路(Northern Sea Route)を開発できるのかも不透明だと述べた。

 ロシアは北極海航路によってアジア市場への輸送が容易になると期待している。トタルによると、シベリア(Siberia)北部沿岸に沿ったこのルートを活用すれば、スエズ運河(Suez Canal)を通過する在来ルートよりアジア各地の港までの航行日数が15日間短縮されるという。(c)AFP/Andrea PALASCIANO