■「これって君?」

 韓国女性弁護士会(Korea Women Lawyers Association)が実施した調査によると、動画などを違法に投稿して有罪となったケースでも、その約65%は罰金刑で済んでいるとされ、自由刑が言い渡されるのは全体の6%程度だという。

 インターネットに性交渉の様子を捉えた動画を無断で投稿された匿名希望のある被害者女性は、AFPの取材に対し、相手の男と動画を掲載したウェブサイトの罪は認められたものの、男には100万ウォン(約10万円)、ウェブサイトには300万ウォン(約30万円)の罰金がそれぞれ科されただけだったと話した。

 サンタ・クルーズのキムさんによると、同社のサービスには毎月、約140人の女性が登録しているという。

 登録する女性の中には、主に男性の知人から「これって君?」というコメントとともに送られてきたリンクで自身の画像や動画を発見した人や、単にこうしたイメージが共有されているのではないかと漠然とした不安を感じている人もいる。

 サンタ・クルーズでは、このような動画を発見した場合、ウェブサイトの運営会社に連絡を入れ、プライバシー保護法に違反していると警告した上で動画の取り下げを要求する。中にはアダルト動画の共有サイトではなく、ギャンブルサイトやソーシャルメディアに掲載されていることもあるという。

 運営会社の大半は迅速に応じてくれるが、もし対応を拒否したり、連絡が取れない場合には、ソウルのインターネット規制当局に対してコンテンツへのアクセスを遮断するよう要請する。その場合、実際に遮断されるまでには数週間かかることもある。

 知人女性の顔写真とポルノ画像とをコラージュしてネット上に拡散させるケースもある。これらのケースについてキムさんは、「大半の投稿者は10代の少年や20代の男性」と話す。こうした男性らは、自身とは到底釣り合わないとの考えから「かわいらしく人気のある女性がインターネット上で嫌がらせを受けたり恥ずかしい思いをしたりするのを見てみたいのです」と説明した。