【12月4日 AFP】17-18イタリア・セリエAは3日、第15節の試合が行われ、 ジェンナロ・ガットゥーゾ(Gennaro Gattuso)新監督が初陣に臨んだACミラン(AC Milan)は、終了間際に相手GKアルベルト・ブリニョーリ(Alberto Brignoli)にゴールを決められてベネベント(Benevento Calcio)と2-2で引き分けた。今季初昇格のベネベントは、セリエAで初の勝ち点を獲得した。

 本拠地スタディオ・チロ・ヴィゴリート(Stadio Ciro Vigorito)で後半ロスタイムの5分にブリニョーリがダイビングヘッドを決めて引き分けに持ち込んだベネベントは、欧州主要リーグのワースト記録となる開幕からの連敗を14で止めている。

 11月27日に解任されたヴィンチェンツォ・モンテッラ(Vincenzo Montella)前監督からチームを引き継いだガットゥーゾ監督は、「こういうゴールを決められるよりも刺された方がまだ痛みがましだ」とコメントしている。

「残り30秒でGKに得点を決められるなんておかしな話だ。試合ではベネベントの決意を見ることになると分かっていたが、不運にも最初のミスの代償が大きかった」

 前半38分にジャコモ・ボナベントゥーラ(Giacomo Bonaventura)のゴールで先制したミランは、後半5分にゲオルゲ・プスカシュ(George Puscas)に同点とされたものの、その7分後にニコラ・カリニッチ(Nikola Kalinic)の得点で再び勝ち越した。

 その後アレッシオ・ロマニョーリ(Alessio Romagnoli)が2度目の警告を受けて10人となったミランに対し、1点差のままロスタイムを迎えたベネベントは、終了間際にダニーロ・カタルディ(Danilo Cataldi)のFKにGKブリニョーリが頭で合わせて連敗記録に終止符を打ち、ホームのファンは熱狂した。

 ユベントス(Juventus)から期限付きでベネベントに加入しているブリニョーリは、プロ生活初得点について「ベンチから誰かが僕に上がるように言った。失うものは何もなかったので、目を閉じてジャンプしたんだ」と話している。

「このゴールを夢に生きているすべての人にささげたい。僕たちは敗戦に相当しない試合にたくさん負けてきた。ユベントスでさえ僕らに苦戦した。みんなの3か月の苦労が報われたので、お祝いできるのは素晴らしいことだよ」

■ガットゥーゾ監督「選手は負けることを恐れている」

 勝ち点を取りこぼした結果、7度欧州の頂点に立っているミランは勝ち点21の8位となり、中国人オーナーが熱望する欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)の出場権を獲得できる4位とは13ポイントの差となっている。

 ガットゥーゾ監督は、「傷ついているし、敗北から立ち直ろうとしている。慰めも言い訳もない。試合を通じて良いプレーができたわけではなかったが、最後の最後まで勝つためにプレーした。ベネベントはこの5試合、敗戦にそぐわないプレーをしていた。そして彼らはわれわれから最後に得点を挙げた。彼らは自分たちで運命を切り開いた」と話した。

「われわれは恐る恐るプレーし始めた。この点を改善しなければならない。試合の最後の7、8分はプレーをやめてしまった。これは心理的な問題であり、負けることへの恐怖心に端を発している」 (c)AFP