【12月3日 AFP】反移民・反イスラムを掲げる極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の党大会が2日、北部ハノーバー(Hanover)で開幕し、共同代表2人が選出された。市内ではAfDに抗議する数千人規模のデモが行われた。

 AfDは9月に行われた総選挙で得票率が13%近くに達し、下院で約100議席を獲得。戦後ドイツの政治は重要な転換点を迎えた。アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相のキリスト教民主同盟(CDU)は第1党の座を維持したものの、次期政権樹立に向けた連立交渉が必要になった。連立政権の樹立はいまだに予断を許さない状況にある。

 こうした中、AfD指導部では急進的なナショナリストと穏健派の対立が深まり、フラウケ・ペトリ(Frauke Petry)共同代表が総選挙の数日後、自身の政党を立ち上げるため突然離党を表明した。

 2日の党大会で、約600人が参加してペトリ氏の後任を選ぶ選挙が行われた。極右派閥に所属するイェルク・モイテン(Joerg Meuthen)共同代表は72 %の圧倒的な得票率で再選された。

 しかし2度行われた投票で穏健派のAfDベルリン州代表ゲオルク・パツデルスキー(Georg Pazderski)氏がペトリ前共同代表の後任に選ばなかったため、影響力が大きい国会議員グループのトップであるアレクサンダー・ガウラント(Alexander Gauland)氏が立候補を要請された。ガウラント氏は68%の票を得て共同代表に選出された。

 AfDは2013年に結成されたポピュリスト政党で、欧州単一通貨ユーロ圏の解体などを掲げている。今回の代表選挙で、AfDが着実に右寄りの路線を歩んでいることが確認された。(c)AFP/Deborah COLE