【12月6日 CNS】中国航天科技集団公司(CASC)第一研究院は建院60周年を迎えたことに伴い、未来30年のロケット開発の計画『2017—2045年宇宙運輸システム発展路線図』をこのほど発表した。2045年には、「宇宙開発の強国となる」とする目標を定めている。

■2020年:長征8号発射

 計画では、中型キャリアロケット「長征(Long March)8号」が発射される。「長征8号」のコアロケットは「長征7号」と「長征3号A」を基に設計され、推力120トンの固体燃料補助ロケットを2基装着する。「長征8号」は中・低軌道へ衛星を発射するコストを大幅に削減することができる。現役のロケットのスマート化を通して商用ロケット発射サービスを実現する。

■2025年:弾道飛行による宇宙旅行の実現

 弾道飛行用のロケットは飛行機のような形をしている。慣性で飛行したのち、位置エネルギーを利用して速度を落としながら地球に戻ってくる。

■2030年:重量物打ち上げ型ロケット発射

 重量物打ち上げ型ロケットは直径10メートルで、推力500トンの液体酸素/ケロシンエンジンと推力220トンの液体酸素/液体水素エンジンを装着する。打ち上げ能力は、現在の20トンから100トンに増強される。

■2035年:キャリアロケットの再利用が可能に

 スマート化と先進動力を採用した新型のロケットが開発され、宇宙空間輸送システムの知能化も実現する。キャリアロケットの再利用が実現し、宇宙旅行への夢も実現に一歩近づく。

■2040年:原子力宇宙船で惑星間を往復

 2040年には、「動力」がキーワードになる。原子力を動力としたスペースシャトルが開発され、長時間、何度も惑星間を往復することが可能になる。また、これにより大規模な宇宙開発が実現する。宇宙太陽光発電所も実現する。

■2045年:宇宙開発力の強国となる

 中国は、宇宙研究とその設備・技術において世界でもトップクラスになる。宇宙への輸送システムは大きな変革期を迎える。新たな動力が開発、実用化される。「地球駅」や「宇宙駅」などが建設される。太陽系内の惑星への探索が当たり前になる。(c)CNS/JCM/AFPBB News