【12月1日 AFP】中国スーパーリーグ(1部)の上海上港(Shanghai SIPG)は30日、アンドレ・ビラス・ボアス(Andre Villas-Boas)監督の退任を発表した。

 巨額の資金を投じて戦力を補強しながらも今季リーグ2位に終わった上海上港は、AFCチャンピオンズリーグ(AFC Champions League 2017)では準決勝で敗退し、同26日に行われた上海申花(Shanghai Shenhua)との中国FAカップ(CFA Cup)決勝でも2戦合計で敗れてトロフィー獲得の最後の望みがついえてしまった。

 上海上港は声明で、「SIPGと選手はともに成功と成長を遂げる一方で、悔しい結果に直面した」とすると、就任からわずか1年でチームを去ることになったビラス・ボアス氏に感謝の意を示しながら、「SIPGとビラス・ボアス氏は、それぞれの目標に向かって別の道を進むことを発表する」と述べた。

 現在40歳のビラス・ボアス氏は、2011年にFCポルト(FC Porto)を退団してチェルシー(Chelsea)の監督に就任した際、名将ジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)氏の後継者との呼び声が高かったが、スタンフォード・ブリッジ(Stamford Bridge)に来てわずか8か月で解任された。

 その後は、トッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)やFCゼニト(FC Zenit)で指揮を執っていた同氏は、2016年11月から上海上港を率いることになり、すでにフッキ(Hulk)を擁し、後にアジア史上最高額の6000万ユーロ(約74億円)でブラジル代表のオスカル(Oscar dos Santos Emboaba Junior)を獲得した同チームで、最低でも一つはタイトルを取れると報じられていた。

 トロフィー獲得に失敗しても一部ファンから高い支持を得ていたビラス・ボアス氏だが、中国サッカー協会(CFA)とは試合の運営方法などをめぐって何度も衝突を起こしており、メディアでは横柄で礼儀知らずと批判されたこともあった。

 ビラス・ボアス氏は今年6月、ソーシャルメディアで両軍総出の大乱闘を引き起こして8試合の出場停止処分となったオスカルを擁護する発言を投稿し、自身も2試合の出場停止処分を科されたほか、9月には審判を「侮辱した」として8試合のベンチ入り禁止を命じられた。

 熱狂的なモータースポーツファンとしても知られるビラス・ボアス氏は、来年1月にダカールラリー(Dakar Rally 2018)に参戦するため一時的にサッカーから離れる計画を立てている。来月6日にペルーの首都リマで開幕する同レースではトヨタ・ハイラックス(Toyota Hilux)に乗り、アンデス(Andes)山脈を縫いながら2週間かけてアルゼンチンでのゴールを目指す。(c)AFP/Peter STEBBINGS