【11月30日 AFP】シリアの首都ダマスカス近郊の反体制派支配地区で2013年から政府軍の包囲下にある東グータ(Eastern Ghouta)について、国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)は29日、子どもたちの栄養状態が内戦に突入して以降の6年間で最悪のレベルに達していると警告した。

 ユニセフによると11月の調査で、東グータでは5歳未満の子どもの11.9%が急性栄養失調に陥っていることが明らかになった。これはシリア全土で見ても、内戦が始まってからの6年間で最も高い割合だという。また、調査対象の子どもの3分の1以上が発育不良で、「発達の遅れや病気、死亡のリスクが高い状況となっている」という。

「急性栄養失調の割合は、非常に幼い子どもたちの間で最も高い」とユニセフは指摘。今年1月に行った調査では急性栄養失調の子どもは2.1%だったとして、急激に状況が悪化している恐れを示唆した。

 東グータをめぐっては栄養失調で子どもが死んでいるとの報告を受け、数か月前から複数の人道支援団体が繰り返し警鐘を鳴らしている。

 東グータはシリア国内における反体制派の最後の拠点の一つで、2013年から政府軍の激しい包囲攻撃を受けている。現地では食料品や医療品が不足しているが、支援団体の度重なるアピールにもかかわらず人道援助活動はほとんど認められていない。

 ユニセフによると、東グータの人口は40万人だが、今年に入って食糧支援を受けられたのは10万人のみだという。(c) AFP