■政府主導の保育支援を

 国がまず重要な役割を果たしていない。経済改革の過程で、公的機関の多くが託児所の削減を行っている。上海の場合、2015年の統計によると、独立した全市で託児所は35か所しかなく、2011年比で21か所も減っている。0~3歳の幼児が80万人いると言われるなかで、託児所を利用しているのは0.65%程度だ。

 専門家は、政府が保育の公共サービスの定義を明確にし、管理構造の調整・再編の統一計画を立てるべきだと指摘する。それによって、関連する政府の支援体制を整備し、運営主体を多様化させ、民営・公営にとらわれずに柔軟性に富み、融通を効かせたサービスを構築することが「幼有所育」の実現になるからだ。中国人民大学の楊菊華(Yang Juhua)教授は、「近年の中国の託児サービスは、『国は役割を果たさず、市場もうまく回らず、社会システムも機能しない。その結果、家の者がすべて責任を負う』というアンバランスな状態にある中で、当面の急務は、国が託児サービスを向上させることだ」と指摘する。楊教授は、託児サービスが国家と地方経済社会の発展の中に取り込まれるようになれば、具体的な役割を担う部門も明確になり、衛生・家族計画、教育などのそれぞれの分野の資源の調整・再編を利用していくことが、良好な環境を提供する発展につながるだろうと提案している。(c)東方新報/AFPBB News