■民族的な出自が取り沙汰されるのには「失望」

 一方でヘンリー王子は、マークルさんを王室に迎えることについては、それに伴うプレッシャーや自身の母親がその役割に苦労したことなどを考えると神経質になったことを認めた。

 2人の関係が報道され、マークルさんのことが英国のトップニュースになると、ヘンリー王子の執務室は、マークルさんに対してメディアによる「誹謗(ひぼう)中傷や嫌がらせ」が行われていると非難する異例の声明を発表する必要に迫られた。

「誰にとっても簡単なことじゃない。でも結局のところ、彼女は僕を選んでくれ、僕も彼女を選んだ。僕たちが一緒に、あるいは別々に取り組まなければならないことが何であれ、僕たちはいつも一つのチームとして共にあるつもりだ」とヘンリー王子は話した。

 オランダ・アイルランド系の父親とアフリカ系米国人の母親を持つマークルさんは、自身の民族性ばかりが取り沙汰されることには「失望させられる」と述べ、自分のことについて書かれた記事には「多くの不正確な記述」があるとして、目を通すつもりはないと話した。

 父親のトマス・マークル(Thomas Markle)さんと母親のドリア・ラグランド(Doria Ragland)さんは声明を発表し、「信じられないくらいうれしい」とコメントしている。

 これまでにも、王室での自身の役割についての葛藤や、そうした責任を共有したいという思いについて語ってきたヘンリー王子。マークルさんとの出会いについては、「あり得ないような奇跡的な幸運に恵まれ、この美しい女性が文字通り、僕の人生に転がり込んで来て、僕も彼女の人生に転がり込んだ」と喜びを表現。公務についても、「彼女が素晴らしく上手にこなすだろうということに僕は大いに安堵(あんど)している。なぜなら彼女は公務に伴う他のすべてのこともうまく処理できるだろうから」と述べた。

 子どもの予定について聞かれると、ヘンリー王子はこう答えた。「現在のところはノーだ。一歩ずつ進んで行き、できれば近い将来、僕たちは(子どもをもうけて)家庭を築きたいと思っている」(c)AFP