【11月28日 AFP】中国の裁判所は28日、台湾の民主活動家、李明哲(Lee Ming-cheh)氏に対し、国家政権転覆の罪で懲役5年と2年間の政治的権利剥奪を言い渡した。判決によって中台関係のさらなる悪化が懸念されている。

 判決公判は湖南(Hunan)省岳陽(Yueyang)の中級人民法院(地裁)で行われ、判事による判決読み上げを李氏は被告席で不安そうに聞いていた。

 また、李氏と行動を共にしていた中国人の彭宇華(Peng Yuhua)氏も、懲役7年と2年間の政治的権利剥奪の判決を受けた。

 李氏は9月に開かれた裁判で、中国共産党を批判する記事を書いてネットで配信し、民主主義を広めようとしたとする起訴事実を認めていた。裁判所によると、両氏とも控訴しない意向を示しているという。

 しかし人権団体らは、裁判が公正でないと批判している。国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)中国支部のウィリアム・ニー(William Nee)氏は、「不公正な裁判の末に下された言語道断の判決だ」と憤りをあらわにした。

 ニー氏は、「李明哲がやってきたことは、最近の出来事や歴史的な問題をソーシャルメディアで平和的に語ってきただけ。1日たりとも刑務所で過ごさせるべきではない」と訴えた。(c)AFP