【12月5日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)の2018年シーズンに向け、AFPは5つの注目ポイントをまとめた。

■再びメルセデスとフェラーリの優勝争いか?

 2017年のフェラーリ(Ferrari)は、セバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)が通算5勝を記録して見事な復活劇を披露したものの、9年間遠ざかっていた総合優勝は逃してしまった。対するメルセデスAMG(Mercedes AMG)は、4年連続で世界タイトルの座を堅守した一方で、チーム責任者を務めるトト・ヴォルフ(Toto Wolff)氏は、イタリアの名門フェラーリについて「開幕から彼らのマシンは非常に速かった」と称賛した。

 ヴォルフ氏はさらに、来季は他のチームも同様に劇的な復活を遂げると予想しており、「現在のところ、(ライバルは)ご覧の通りフェラーリとレッドブル(Red Bull)だ。しかし、マクラーレン(McLaren)とルノー(Renault)も台頭してくるだろう。彼らにはそれだけの資金力がある」と述べた。

■オーバーテーク

 興行主である米リバティメディア(Liberty Media)は現在、F1人気の復活に尽力している。その第一弾として、来季から全車に360度カメラを搭載することが義務づけられたが、本質的なカギを握るのはオーバーテークの場面を増やせるかどうかだろう。

 今季最終戦のアブダビGP(Abu Dhabi Grand Prix 2017)でメルセデスのルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)は、レースを制したチームメートのバルテリ・ボッタス(Valtteri Bottas)と3位に入ったフェラーリのセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)に「ここで抜くのは不可能だ」「このサーキットは改修する必要があると思う。もっとオーバーテークできるようになれば、観客の興味も増すはずだ」と主張した。

■テクノロジー

 ピレリ(Pirelli)の新しいタイヤは、少なくとも計算上では過去最高速度を出せるとされている。一方、来季からエンジンの使用台数が4台から3台に削られることで、グリッド降格ペナルティーの増加が予想されると同時に、燃料消費量も新たに制限されるとみられている。また、F1マシンの全体的な形はコックピットを除けば現行と変わらないが、来季からはコックピットに頭部保護システムの「Halo」が設置されることで見栄えが変わってしまうため、ファンの間では賛否両論ある。

■ルノーの資金投入

 2020年までのタイトル獲得を目指しているルノーは、不本意なシーズンが終了し、来季からニコ・ヒュルケンベルグ(Nico Hulkenberg)の相棒としてカルロス・サインツ・ジュニア(Carlos Sainz Jr.)と契約するなど、チーム全体としても才能ある若手の起用を進めている。さらには、チームいわく新たなスーパーエンジンを開発しており、来季からパートナーシップを結ぶマクラーレン(McLaren)に供給する予定となっている。

■クビサの復帰は?

 現在32歳のロベルト・クビサ(Robert Kubica)は、右腕を切断しなければならない可能性もあった大事故を経て7年ぶりのF1復帰を見据えており、今季終了後にはロシアのセルゲイ・シロトキン(Sergey Sirotkin)と共に2018年のドライバーを選考中のウィリアムズ(Williams)で2日間のタイヤテストに臨んだ。(c)AFP/Septime MEUNIER/Raphaëlle PELTIER