【11月26日 AFP】イエメンの首都サヌアに25日、不足が深刻化しているワクチンを積んだ国連(UN)の輸送機1機が到着した。AFPの記者の報告によると、空港にはさらに国連の支援要員が乗った2機と、赤十字国際委員会(ICRC)のスタッフが乗った1機も着陸した。

 2015年からイスラム教シーア派(Shiite)系反政府武装勢力「フーシ派(Huthi)」と戦っているサウジアラビア主導の連合軍が約3週間前にイエメンの陸海空の国境を封鎖し、数千人規模の死者が出かねないとの警告を招いていた。空港は連合軍の空爆で管制システムが破壊されたものの、今週に入って復旧。24日には国連人道問題調整事務所(OCHA)が、サヌアへの航空輸送の再開を連合軍から許可されたことを明らかにした。

 ただ、OCHAは、フーシ派が掌握している紅海(Red Sea)の港湾都市ホデイダ(Hodeida)への食糧や医薬品の輸送が急務であるものの、ホデイダの封鎖は続いていると付け加えた。世界保健機関(WHO)は先週に入り、ワクチン接種を受けていないホデイダの子どもたちの間でジフテリアの感染が拡大していると指摘。現地の医師からは、感染の疑いがある3人の死亡が報告されている。

 今年イエメンではコレラ感染で2000人余りが死亡したが、15年から続くサウジから支援されているイエメン政府と、フーシ派の対立による内戦ではこれまでに約8600人の死者が出ている。(c)AFP