■ジョコビッチとマレーは魔法を取り戻せるか?

 グランドスラム通算12勝のジョコビッチは、肘のけがの影響で6か月にわたりツアーから離れ、現在の世界ランクは12位。来月にはアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで復帰を飾る予定だが、再びテニス界を圧倒できるモチベーションがあるかは疑問視されている。

 一方のマレーも、臀部(でんぶ)の故障で数か月にわたって戦線離脱。世界ランキングは16位まで落ちたが、現在はクリスマス後に行われるオーストラリアの大会での復帰を目指している。

 フェデラーは、2018年から復帰するジョコビッチやマレー、そして同胞のスタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka)について「彼らの最高の状態を期待している」「私やラファのような形で彼らがカムバックしてきても驚かないだろう」と話し、シーズン序盤から幸先が良い出だしを切ると考えている。

「それに、オーストラリアでは(錦織)圭(Kei Nishikori)やトマス(・ベルディハ<Tomas Berdych、チェコ>)、そしてミロス(・ラオニッチ<Milos Raonic、カナダ>)にも良い形でツアーに帰ってきてほしいと思っている。それが実現すれば、彼らにとっても本当に最高だね。そして彼らと若手の競い合い…。かなり面白い一年の始まりになるかもしれない」

■ATPファイナル優勝の勢いは続く?

 キャリア最大のタイトルを獲得し、世界ランキングでも3位の高みまで上り詰めたディミトロフ。2018年は自身最高のシーズンを送る期待も高まる。

 ブルガリア出身の26歳は、これまでグランドスラムの舞台で決勝まで進出した経験がなく、うっかり足を踏み外せば、「ビッグ4」と自身より若い世代の間で押しつぶされてしまう危険性も潜んでいる。

 それでもロンドンで躍進を遂げたディミトロフは「グランドスラムで優勝するのが一つの大きな目標。これまでも常に僕の夢だった」と話し、来シーズンへ向けてさらなる飛躍を誓っている。

■新鋭の躍進?

 アレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev)は、急速にトップへの階段を上っている。ドイツ出身の20歳は今季、2つのマスターズ1000(ATP World Tour Masters 1000)タイトルを含むツアー5勝を挙げる「最高の一年」を送った。

 ニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)やデニス・シャポバロフ(Denis Shapovalov、カナダ)といった才能あふれる若手集団を引っ張るズベレフは、最終戦こそ残念な結果に終わったが、世界ランキングでは4位につけている。

 充実のシーズンを過ごしたズベレフは「それでも最後は本当にダメだった。(最終戦で)やったようなプレーを一年通していたら、トップ50でもフィニッシュできなかったと思う」と反省しながらも、「でも大丈夫。これから休日を楽しみ、オフシーズンは思いっきりハードワークする」と前を向いている。(c)AFP/John WEAVER