【12月23日 AFP】レバノン北部のトリポリ(Tripoli)で、双子のストリートアーティストのコンビ「アシュクマン(Ashekman)」が、宗派間対立やシリア内戦の影響による戦闘の傷跡が残る2地区にまたがり、建物の屋上にピスタチオグリーン色で巨大な文字を書く野心的なアートプロジェクトを完成させた。アラビア語で「平和」を意味する「Salam」と書かれた文字は宇宙からも見える大きさだ。

 このプロジェクトは34歳の双子の兄弟モハメド・カッバーニ(Mohamed Kabbani)さんとオマル・カッバーニ(Omar Kabbani)さんの発案によるもので、完成までに3年が費やされた。

 制作地をトリポリに決定するまでに2人は国内の複数の土地を調査したが、最終的に、近年断続的に武力衝突を起こしているイスラム教シーア派(Shiite)分派のアラウィ派(Alawite)が暮らす地区ジャバル・モフセン(Jabal Mohsen)とスンニ派(Sunni)のバブ・タバネイ(Bab al-Tebbaneh)地区にまたがる場所を選んだ。

 オマルさんは、「『Salam』の文字を建物85棟の屋上、1.3キロにわたって書いた...ここに暮らす人びとが平和的だということを伝えるために」「そして、レバノン全体が平和になってほしい」と語った。(c)AFP/Sara Hussein