■ドナルドダックが浮き彫りにするドイツ人の真のメンタリティー

 出版社エグモント・エハパ(Egmont Ehapa)の販売責任者クリスティアン・ベーア(Christian Behr)氏は、LTBの年間売上部数は500万部、月間売上部数は平均約42万部に上り、今月初めに第500版が刊行されたことを明らかにした。ベーア氏によれば、中心的な読者層は25歳以上。この層は熱心なコレクターでもあるという。

 独フランクフルトのゲーテ大学(Goethe University)でグラフィックノベルを研究しているベルント・ドレバインカウフ(Bernd Dolle-Weinkauff)教授は、手軽に読めるペーパーバックという形態と、ディズニーのコミックの品ぞろえが豊富なことがこれほど長く人気を呼んでいる理由だと指摘する。

 一方で、ドナルドダックにドイツ人がこれほど執着する理由は、販売戦術だけでは説明し切れないとドレバインカウフ氏は語る。「これはマーケティングの問題ではなく、おそらくドイツ人特有のメンタリティーの問題でしょう。研究してみるべきですね」

 ドレバインカウフ氏はこう分析した。「ミッキーマウスと対照的に、ドナルドダックは永遠に不運なアヒルです。何をやってもうまくいかないルーザー(敗者)ですが、絶対にあきらめない」「皆、どうやってドナルドダックがいつも問題を解決するのか、どんな突拍子もない考えを思い付くのかを見たがっているのです」

 実際、ドナルドダックは「プロイセンの役人、兵隊、常にきちんとしている、という外国人が思い描くドイツ人気質」とは「正反対」だとドレバインカウフ氏は指摘する。