【11月12日 AFP】米航空宇宙防衛企業「オービタルATK(Orbital ATK)」は11日、米バージニア(Virginia)州ワロップス島(Wallops Island)にある施設から国際宇宙ステーション(ISS)に物資を補給する無人補給機「シグナス(Cygnus)」を搭載したロケット「アンタレス(Antares)」を打ち上げる予定だったが、付近に突然航空機が出現したため打ち上げを中止した。

 打ち上げ予定時刻11日午前7時37分(日本時間同日午後9時37分)の直前、管制センターは「アボート、アボート、アボート!」(中止、中止、中止!)と大声で言った。

 次の打ち上げの機会は12日午前7時14分(日本時間同日午後9時14分)となる。

 オービタルATKは数年間にわたってISSに補給を行う内容の19億ドル(約2200億円)の契約を米航空宇宙局(NASA)と結んでおり、今回のミッションは8回目となる。

 たる形のシグナスには3356キロの食料、消耗品、装備、科学実験器具などが積み込まれている。

 その中には微少重力環境下における細菌の成長と、その成長を止めるのに最低限必要な抗生物質の量を判定する実験に使われる衛星も含まれている。

 NASAは「微少重力環境下では免疫反応が抑制されるため、薬剤耐性菌は宇宙飛行士に危険をもたらす恐れがある」「研究者たちはこの実験の結果が、宇宙で長期にわたるミッションを実施する宇宙飛行士の健康を守る有効な対策を生み出すのに役立つと考えている」と述べた。(c)AFP