【11月9日 AFP】米空軍士官学校の寮で今年9月に見つかった黒人を侮辱する落書きについて、同校は8日、落書きを告発した黒人学生自身による自作自演だったと発表した。この落書きをめぐっては、校長が「偏見を持つ者は出て行け」と強く呼び掛けた映像がインターネット上で拡散され、大きな話題となっていた。

 同校の広報担当者、アレン・ヘリテージ(Allen Herritage)中佐は、「人種差別的な落書きの標的とみられていた士官候補生のうちの一人による自作自演だった」ことが確認されたと述べ、さらに、学生自身が責任を認め、調査によってもこれが立証されたと明かした。

 今年9月、コロラド(Colorado)州コロラドスプリングズ(Colorado Springs)にある空軍予科士官学校の寮で、ホワイトボードに「家に帰れ、ニガー(黒人に対する差別語)」などと書かれていると、5人のアフリカ系米国人学生が報告していた。

 それを受け、校長を務めるジェイ・シルベリア(Jay Silveria)中将は学校の士官候補生と教職員らに対し、「あのような振る舞いは、予科でも士官学校自体でも、米空軍でも許されない」と呼び掛け、「自分と異なる人種や肌の色が異なる他者に対して尊厳と敬意をもって接することができない者は、出て行ってもらう必要がある」と明言。その様子を捉えた映像はインターネット上で広く拡散された。

 ヘリテージ中佐によると、落書きしたことを認めた学生はもう同校に在籍していないという。(c)AFP