【11月9日 CNS】アリババ(Alibaba)が運営するインターネットショッピングサイト「天猫(Tmall)」が11月11日(双11)の「独身の日」にEコマース商戦を始めてから、今年で9年目。「双11」は全世界に広がりつつある。ロシアから西ヨーロッパ、東南アジアや米国など、「双11」の荷物は世界各地に届けられる。アリババ(Alibaba)傘下の物流サービス会社「菜鳥網絡(Cainiao Network)は全世界のトップ物流会社と手を組み、今年の「双11」に臨む。

 菜鳥によると、世界の物流会社と協力することで72時間以内に届ける物流ネットワークを構築し、世界中の人々にサービスを提供したいという。

 ロシアでは、2016年の「双11」で2000万個の荷物を取り扱ったという。ロシア郵便は、国内の主要な5か所の仕分けセンターを大幅に拡大して「双11」に備えたという。1日の荷物の取扱量は、普段の平均70万個から160万個にまで増えたという。

 菜鳥はロシアでの「双11」によるプレッシャーを緩和するため、中国国内で荷物を仕分けし、国際航空会社と提携して10機以上の飛行機をチャーター。ロシア各地の最寄りの空港に運ぶことで、大幅に配達時間の短縮を実現できるという。

 中国のEコマースサイトで家具を購入する利用者が多いシンガポールとマレーシアなどでは、菜鳥の提携会社、広州遞壹時国際(DEX-I)が両国への海運ルートを開いた。以前は2か月かかっていたところを、約15日で届けられるようになった。

 菜鳥と長年提携しているスペイン郵便は、中国からの荷物の通関、データ物流をセットにしたシステムを構築している。

 さらに遠方の南米では、チリ郵便が菜鳥と提携し住所のデータベースを改善、配達に要する時間を2日短縮することが可能になった。また、チリ郵便は同国内の支局に荷物の受け取り場所を設けるなどし、コスト削減も行っている。

 菜鳥は「360Zebra」、「EWE」、「4PX」などの海外転送サービス会社と提携することで、フランクフルト(Frankfurt)、ロサンゼルス(Los Angeles)、大阪などの主要都市でEコマース業務全般を行うGFC(Global Fulfillment Center)を設立している。

 海外の郵便局職員は、「『双11』が流行する前は、われわれの扱う荷物にピークなんていう概念はなかったよ。菜鳥との提携で作業効率、処理能力とも大幅に改善された」と話している。(c)CNS/JCM/AFPBB News