【11月6日 AFP】お辞儀すべきか、せざるべきか、それが問題だった──来日中のドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が6日、天皇、皇后両陛下との会見に臨んだ際、その対面の瞬間に注目が集まっていた。そこには儀礼上の落とし穴が潜んでいたためだ。

 バラク・オバマ(Barack Obama)前大統領が2009年11月に皇居を訪問した際には、両陛下を前に腰をほぼ90度に曲げて深々とお辞儀をする姿が写真に収められ、米国内で批判が噴出。

 保守派は、第2次世界大戦(World War II)で日本軍兵士らが戦ったのは昭和天皇(Emperor Hirohito)の名の下であり、オバマ氏がその息子である天皇陛下に対し服従の所作を示したと非難した。

 このいきさつもあり、礼節を重んじる国として知られお辞儀が日常生活の一部となっている日本で、今回の天皇陛下とトランプ氏との初対面は大いに注目された。

 非礼に陥ることもままあるトランプ氏だが、ここは手際よく中間地点への着地を心掛けたとみられる。陛下よりもずっと高身長のトランプ氏は、ともすると見下ろすような格好になってしまうが、対面時には頭をわずかに傾けて見せた。

 その後トランプ氏とメラニア(Melania Trump)夫人は、通訳を介して両陛下との会見に臨むため、御所内へと入って行った。(c)AFP