【11月4日 AFP】平昌五輪組織委員会(POCOG)の李熙範(Hee-Beom Lee、イ・ヒボム)会長は3日、2018年2月9日から25日まで開催される平昌冬季五輪では、軍事挑発を続ける隣国の北朝鮮を含め、世界各国を歓迎する準備はできていると語った。

 チェコの首都プラハで開かれた各国オリンピック委員会連合(ANOC)の総会に出席した李会長は、「韓国は世界を歓迎する準備を整えている。出場選手をはじめ、北朝鮮を含めたすべての国内オリンピック委員会(NOC)を歓迎する」と述べた。

 朝鮮半島を分断する軍事境界線からわずか80キロメートルに位置する平昌(Pyeongchang)で開催される冬季五輪を控えるなか、北朝鮮は核武装を進めて不安の元凶となっている。同国は今年9月に過去最大規模となる6回目の核実験を行っており、これを受けてフランスやオーストリアを含めた数か国は、大会への参加を控える姿勢を示した。

 しかし、平昌大会が「平和と調和の五輪」になると強調した李会長は、前週には韓国でNOCのセキュリティー研修会が開かれたことをつけ加え、「安全が(組織委員会の)最優先課題だ。大会の安全性を確保するため、韓国政府は特別対策委員会も設置している」と語った。

 李会長はまた、大会関連の建物やインフラはすべて準備が整っているとして、来月には韓国高速鉄道(KTX)が仁川(Incheon)から平昌まで開通する予定であることや、「仁川から平昌まで直接結ぶ高速道路も完成している」ことを明かした。

 北朝鮮による軍事的脅威のほかにも、大会では空席が目立つことが懸念されているものの、李会長は組織委員会として滞りなく「会場が満席なることを確約する」と主張。約2週間の日程で行われる平昌五輪のチケットは、これまで海外での販売数が約18万枚となっており、まだ118万枚が売れ残っている。

 欧州や北米と比べ、韓国では冬季スポーツになじみが浅く、国内でのチケット販売数が重要な要素となるなかで、これまで16万枚を少し超えるほどの数字にとどまっている。

 ANOCのグニラ・リンドベリ(Gunilla Lindberg)委員長は「われわれはチケットの売り上げについて心配している。平昌の組織委員会や世界各国の使節団と協力して、販売促進につなげていく。フィギュアスケートやショートトラックなど、一部の会場ではチケットが売り切れているが、韓国ではクロスカントリーなどのスキー競技はあまり人気がない」と述べた。(c)AFP