■「ブラジル人が押し寄せれば文化が変わる」

 だが、1970年代に外部の者によってもたらされた伝染病で絶滅の危機にひんした経験のあるワイアピの人々は、警戒を緩めない。ピノティの住民、モイ・ワイアピ(Moi Waiapi)さん(35)は、熱帯雨林は「われわれの生存の土台」だと言う。

 別の住民、カリビ・ワイアピ(Calibi Waiapi)さん(57)は、ブラジル政府がアマゾンを通る巨大道路の開発計画をいつか復活させたがっているのではないかと疑う。

「車、トラック、暴力、ドラッグ、強盗がやって来るようになる。文化は変わってしまう。若者たちは携帯電話や洋服やコンピューターを欲しがるようになる」と、外部から人が押し寄せる様子を想像しながらカリビさんは話す。「たくさんの白人がやって来たら、おしまいだ」

 短気な人たちは、侵入しようとするいかなる試みにも暴力で対抗すると息巻く。「テメル大統領がここ、私の近くへやって来たら、思い知らせてやる」と、タパヨナさんは長い矢を取り出してそう言った。1970年代のブラジル政府との最初の接触以来、ワイアピは猟銃を持っているが、毒矢もまだ使っている。

 マニーリャ(Manilha)という別の集落のアカウポチェ・ワイアピ(Aka'upotye Waiapi)さん(43)も、「これはわれわれの武器だ。先住民のものでない武器には頼らない」と言った。だが、ワイアピの人々の力の誇示はほとんど虚勢にすぎない。