ベルルスコーニ伊元首相、マフィアの爆破事件に関与?再び捜査対象に
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【11月1日 AFP】イタリアのシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)元首相が、1993年にマフィアが起こした爆破事件に関与した疑いで捜査対象になっていることが分かった。ベルルスコーニ氏の弁護士が先月31日、明らかにした。
フィレンツェ(Florence)の検察当局は昨年、服役中のあるマフィアのボスと別の受刑者との会話を盗聴。その内容が、このボスに対してベルルスコーニ氏が国家に対する暴力行為を実行するよう個人的に促していたことを示唆していたため、今回の捜査に踏み切ったという。
1993年に起きたこの事件では、首都ローマおよびミラノ、フィレンツェで爆発があり、計10人が死亡した。ベルルスコーニ氏がこの事件に関与した容疑で捜査対象になるのは今回が3度目。先の2回の捜査は、いずれも証拠不十分で打ち切られている。
この攻撃は、マフィアの「ボス中のボス」とされたサルバトーレ・トト・リーナ(Salvatore "Toto" Riina)受刑者が逮捕されたことに加え、政府が厳格な反マフィア法を成立させたことへの報復とみられていた。
この爆破事件に加え、反マフィアを訴えていた判事2人と聖職者1人の殺害事件に関与したとして終身刑が言い渡され、現在服役中のジュゼッペ・グラビアーノ(Giuseppe Graviano)受刑者は、ベルルスコーニ氏が個人的な政治的目標のため、守旧派の一掃を願って攻撃を促したと主張している。
ベルルスコーニ氏の弁護士を務めるニコロ・ゲディーニ(Niccolo Ghedini)弁護士は今回の捜査について、「何度目か分からない今回の捜査は、新たな要素もなければベルルスコーニ氏といかなる関係もなく、先の捜査同様近々棚上げされるだろう」と述べた。(c)AFP