村の医師の早すぎる死 15年間匿名で毎年2万元寄付
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今年10月20日の夜、「蘭小草」の家族から温州晩報へ電話が入った。「蘭小草」が夕方に亡くなったという知らせだった。48歳だった。7月に突然体の不調を訴え、上海(Shanghai)の病院で検査を受けた結果、末期の肝臓がんだと診断されていたのだという。
「蘭小草」こと王珏(Wang Jue)さんは28年間、黙々と温州市洞頭区(Dongtou)大門島の診療所を守り続けてきた村の医師だった。
日記には、「尊老愛幼、扶貧助弱(訳:老人を敬い幼い子を愛おしむ、貧しきをなくし弱きを助ける)」という文字が書いてあった。王さんの座右の銘であったという。
王さんが大門島にやってきたのは、1990年。当時、島は交通の便が悪く、島内医療をどう守るかが問題になっていた。当時まだ20歳だった王さんは進んで島に行き、そのまま根を下ろして家族を持った。
いつも笑顔を絶やさず、島民の具合が悪くなったと聞くといとわずに足を運んだという。そんな王さんを村人たちは、小さな島の「生命の守り神」と呼んでいた。毎年、春節や中秋節には養老院を訪れ、お年寄りたちと一緒に過ごしていたという。
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