【10月25日 AFP】フィリピンの競技娯楽委員会(GAB)関係者は24日、スパーリングでKOされ昏睡状態に陥っていた同国出身のボクサーが、その後死亡したと発表した。

 関係者によると、亡くなったボクサーはジェフリー・クラロ(Jeffrey Claro)さん(20)。同国では今年8月、頭部に重大な損傷があるかを調べるために受けることを要求された脳のCTスキャンで虚偽の検査結果を提出したとして、クラロさんを含む約150人のボクサーが資格停止処分になっていた。

 ボクサーが虚偽の検査結果を出した理由は、スキャンを受けるだけの経済的余裕がなかったからとされているが、9月7日に新しい検査結果を提出していたクラロさんは、11月に開催が予定されていた試合に向けて処分を解除されていた。

 競技娯楽委員会の医療責任者は、再提出されたクラロさんの検査結果は正当なもので、脳に損傷の兆候などがないことが示されていたと話している。

 しかし、昏睡状態に陥った後に撮られたCTスキャンでは、クラロさんの脳にスパーリングで浴びたパンチが原因とみられる新しい外傷に加え、9月7日以降に受けたとされる損傷が確認されており、同責任者はAFPに対し、2つの損傷が合わさって死につながったとの見方を示している。

 クラロさんはスパーリング当時、ヘッドギアを装着していたという。

 フィリピンでは2012年にも、フライ級のカルロ・マキント(Karlo Maquinto)が同胞との一戦で2度にわたりKOを喫し、その後21歳の若さで亡くなっている。(c)AFP