【10月25日 AFP】イングランド・プレミアリーグの「ビッグ6」は24日、海外テレビ放映権料分配金の割合増加を断念した。海外の放送局からプレミアリーグに支払われる放映権料は現在、20クラブに均等に分配されているが、アーセナル(Arsenal)、チェルシー(Chelsea)、リバプール(Liverpool FC)、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)、マンチェスター・シティ(Manchester City)、トッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)の6クラブは、各チームの世界的な人気を理由として、より多くの取り分を得る権利があると主張していた。

 プレミアリーグは24日、今月上旬にリーグのルールを変更するためにはさらなる話し合いが必要という結論に達していたが、「現時点でルール変更は総意ではないことが明確になった」として、予定されていた会議は中止になったことを明らかにしている。

 現行ルールの変更には全体の3分の2となる14クラブの賛成が必要になるが、プレミアリーグのリチャード・スクダモア(Richard Scudamore)会長は、海外放映権の35パーセントはリーグ戦の順位に応じて支払われるという国内放映権の分配の枠組みに近い妥協案を提示していた。

 リーグ側は発表した声明の中で「各クラブは海外放映権料収入の分配の枠組みを話し合っている。広範囲の意見を集約するため、プレミアリーグはこの議論を後押ししている」とコメントしている。

「現時点で変更が総意ではないことが明らかになった。つまり(25日に予定されていた)クラブミーティングは必要ないということだ」

「プレミアリーグの運営方針に関し、各クラブはいつでも提案書を出すことができる。別のやり方をするためには、過半数の支持を得られない限り現行のルールが適用される」

 しかしながら、海外放映権料は国内以上のスピードで増加の一途をたどっており、多くのクラブがこの変更による影響の大きさを懸念している。

 スウォンジー・シティ(Swansea City)のヒュー・ジェンキンス(Huw Jenkins)会長は、14日のハダーズフィールド・タウン(Huddersfield Town)戦の前に、ビッグクラブとスモールクラブの競争力を維持する必要があると強調した。

「私の見解では、競争力こそがプレミアリーグの魅力を世界に訴える最も重要なファクターだ。これだけはどんな犠牲を払っても守らなければならない」(c)AFP