■「あと4勝」

 対するカーショウは、これまでレギュラーシーズンでの圧倒的な強さをポストシーズンに生かせない時期が続いていたが、昨季王者シカゴ・カブス(Chicago Cubs)とのシリーズ第5戦では、6回を投げて3安打1失点5奪三振の活躍をみせ、ドジャースのナ・リーグ制覇に貢献した。デーブ・ロバーツ(Dave Roberts)監督は、第1戦の先発投手に指名したカーショウについて、レギュラーシーズンで5週間の欠場を余儀なくされた腰の状態は問題ないと話しており、「カーショウの体調は万全だ。(リーグ優勝で)気持ちも高まっている。第1戦の登板準備はできているはずだ」とコメントした。

 ワールドシリーズ進出を果たしたことについて「本当に特別な瞬間だ」と話すカーショウだが、これで「任務完了」ということにはならないとし、「あと4勝する必要がある。ロサンゼルス(Los Angeles)にとっては1988年以来で久しぶりのことだから、2017年にワールドシリーズ進出を果たせたことはうれしい。あと4勝するには、まずホームで1勝したいね」と語った。

 両リーグ最多となる今季のレギュラーシーズンで104勝を挙げたドジャースが、通算7回目となるタイトル獲得の道を模索しているのに対し、同101勝を挙げたアストロズは球団史上2回目の「秋の祭典」で初優勝を目指している。それぞれのリーグ優勝決定シリーズでは、ドジャースが第5戦でカブスを退けている一方で、アストロズは一時はシリーズ2勝3敗の崖っぷちに立たされたものの、第6戦からの2連勝でヤンキースの41回目のワールドシリーズ進出を阻止した。

 ドジャース対ヤンキースのような大きな注目カードとはならないかもしれないが、第1戦で先発するアストロズのダラス・カイケル(Dallas Keuchel)は、自分たちも十分に見ごたえのある試合にできると確信している。2015年にア・リーグのサイ・ヤング賞に輝いたカイケルは、ドジャースについて「手ごわい球団だ。彼らが(今季)両リーグで最多勝利数を記録したのはうなずける。彼らを侮ってはならない。だけど、自分たちも負けてはいない」と語った。

■両雄がそろった

 アストロズが2013年にア・リーグへ移行する以前、両チームはポストシーズンで何度か直接対決を果たしている。1980年には、ナ・リーグ西地区の1ゲームプレーオフでアストロズがドジャースに勝利。シーズン途中でストライキが行われた1981年には、ドジャースが地区シリーズでアストロズを下し、そのままワールドシリーズのタイトルも獲得した。

 今回のワールドシリーズでは、レギュラーシーズンで両リーグ1位の得点と同2位の本塁打数を誇る猛打のアストロズ打線が、昨季のプレーオフでカブスに敗れた反省から、万全な戦力補強でまさに無敵となったドジャース投手陣に立ち向かうことになるとみられている。

 ヒンチ監督は「両雄がそろった。これから4勝を目指して戦うことになる」と語った。(c)AFP/Rebecca BRYAN