■人脈を得る「投資」

 ザ・コレクティブの最初のシェアビルディングには、「あるシンガポールの一族」が出資したとされているが、その額は明らかにされていない。同社は今、ロンドン東部でさらに2つのプロジェクトを立ち上げている。一つは、ストラットフォード(Stratford)にあるオリンピック・パーク(Olympic Park)の近く。もう一つはウオーターフロント再開発地区のカナリーワーフ(Canary Wharf)だ。共に2019年のオープン予定で、合計1000室が貸し出されるという。

 オールドオークに入居して1年になるオーストラリア出身のスポーツトレーナー、アダム・サエス(Adam Saez)さんは、ここで部屋を借りることを「投資」の一つと考えている。「友人ができただけでなく、たくさんのネットワークができた。今、一緒に仕事をしている人たちの多くもここで出会った」

 ロンドンに来たばかりというイタリア系スイス人の学生、サラ・シニガーリャ(Sarah Sinigaglia)さん(19)もサエスさんと同じ意見だ。「人と簡単に出会える。夜は下のロビーやバーに行けば、私みたいに1人きりの人たちがたくさんいる」とここでの生活に満足げな様子で語った(c)AFP/Martine PAUWELS