【10月16日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領がイランに対し強硬な新戦略を打ち出したことについて、イランのモハンマドジャバド・ザリフ(Mohammad Javad Zarif)外相は、同国が欧米など6か国と交わした核合意に違反するものだと非難した。

 ザリフ外相は15日夜のテレビ放送で、トランプ大統領の悪意に満ちた演説は、2015年の核合意の3つの条項に違反していると批判。これら条項では、核合意を「誠意を持って」履行し、米国がイランの核開発計画に関連した制裁を「再導入または再発動することを控える」よう求めている。

 ザリフ外相は「私はすでに9通の書簡を(欧州連合(EU)のフェデリカ・モゲリーニ(Federica Mogherini)外務・安全保障政策上級代表に)送り、米国が包括的共同行動計画(JCPOA)に従って行動していない、あるいは米国がJCPOAの下での義務を遅らせていることを示す事例を挙げた」と述べている。

 モゲリーニ氏は米国や英国、ドイツ、フランス、中国、ロシアと共に核合意の交渉に助力した。

 ザリフ外相は、13日のトランプ氏の演説に関して新しい書簡を書く予定だと語り、制裁が科されるならば「相互措置」を取ると警告した。

 トランプ大統領は演説で、イランが核合意を順守しているとは認めないと表明し、議会がイランのミサイルおよび核の開発計画や、中東での「不安定化」をもたらす活動に対する新たな厳しい制裁を導入しない限り、核合意を「破棄」すると警告していた。(c)AFP