徐州は、ヤギ肉の焼肉で有名だ。焼肉店を開店するにあたって、程さんは大学の仲間に神戸牛などさまざまな肉の成分構造を調べてもらった。神経学の理論を用いて肉を分析した結果、ヤギの肉には「4-メチルオクタン酸」という脂肪酸が含まれていることがわかった。その脂肪酸が揮発後、独特な生臭さを発生するのだが、それがうま味の素だということがわかった。

 医師として、開店前にいくつかのルールを定めた。肉はあらかじめ味付けしてはならず、必ず肉を焼く直前に味を付けて、炭ではなく電気で焼く。油は一度使ったら廃棄する。食材は前日のものを使わない──など、これまでの焼肉店では聞いたことのないルールばかりだ。

「職業病」のためか、時折、「患者様2名様です」「これを入口のテーブルの患者様まで運んで」など、口を滑らせてしまうこともあるという。

 またある時、ふと思い立って「医療相談サービス」を始めた。メッセージを書き残してくれれば、北京で最も優秀な彼ら専門医が相談に乗ってくれるというものだった。しかしあまり盛り上がらなかった。王さんたちは「後から気づいたんだ。お客さんのほとんどが医療関係者なのに、誰がぼくらなんかに相談する必要があるのか」と。

 それならば、と今度は別のキャンペーンを思い立った。5年以内に第1著者もしくは責任者として学術論文を発表したことのある客は、功績に応じて割引を受けられるというものだ。

 もしも素晴らしすぎる客がいれば、支払いが0円になる可能性もある。しかし王さんは科学研究への刺激になればと思い、このキャンペーンを始めた。今後は、夜勤の医師に対しても割引を行いたいとしている。

「医師と飲食店、両方とも成功させなければならない。そうでなければ辞めるべきだ」。王さんと程さんは医師のメンツをかけて、そう心に決めているという。(c)CNS/JCM/AFPBB News