【10月16日 AFP】男子テニス、上海マスターズ(2017 Shanghai Rolex Masters)は15日、シングルス決勝が行われ、大会第2シードのロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)が6-4、6-3で第1シードのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)を破り、今季6度目のツアー優勝を飾った。

 対戦成績で14勝23敗と負け越す世界ランキング1位のナダルを相手に、周囲の予想に反して一方的な試合を展開したフェデラーは、通算タイトル数をイワン・レンドル(Ivan Lendl)氏に並ぶ「94」としている。

 前日に行われたファン・マルティン・デルポトロ(Juan Martin Del Potro、アルゼンチン)との準決勝でフルセットの接戦を演じ、試合前は体調面を不安視されていた世界ランク2位のフェデラーだが、第1セット第1ゲームでブレークに成功すると、そこからは最後まで主導権を離さなかった。

 続く第2セットでも第5ゲームでブレークを奪い、勝利を引き寄せた四大大会(グランドスラム)通算19勝のフェデラーは、上海マスターズで自身2度目の栄冠に輝き、宿敵ナダルの同大会初優勝を阻んだ。

 今季は長年使ってきた体をベストな状態に保つため、自身のスケジュールをセーブしている36歳のフェデラーは試合後、大会が進むにつれて自身の調子を上げ、重要なときに最高のプレーをすることができたと明かした。

 ナダルから5連勝を記録したフェデラーは「タフな1週間だった。5試合連続で戦うのは常に試練だし、誰の体にとっても負担になる。特にプレッシャーがのしかかる状況ではね」とした上で、「1週間通して良いプレーができたように感じる。それに、(ディエゴ・)シュワルツマン(Diego Schwartzman、アルゼンチン)との初戦からリターンが良かったから、落ち着くことができた」と語った。

「サーブは良くなっていくだけだったし、最高のプレーを最後に取っておいた。デルポトロとの第2、3セットに加え、きょうの2セットと最高の試合をすることができた。ある意味、1週間ずっと調子が良かったから驚きはない。準備はできていた」

 一方、近年は度重なる故障に悩まされながらも、前週の中国オープン(China Open 2017)でフェデラーと同じ今季6勝目を挙げ、フィジカル面に関する不安を再び一蹴していたナダルは、「もちろん今週で一番良い試合だったとは言えない。ただ、ほとんどの点で相手が自分より優れたプレーをしているとき、スポーツではそれが物を言ってしまう」と話した。

 また、この日の試合でテーピングを巻いていた右膝に苦しんだかと問われたナダルは「申し訳ないが、今はそれについては話したくない」「決勝で負けた後でもあるし、今話すことではない」と言及を避けた。(c)AFP/Peter STEBBINGS