【10月10日 AFP】国連安保理(UN Security Council)北朝鮮制裁委員会の専門家パネルのトップ、ヒュー・グリフィス(Hugh Griffiths)調整官は9日、国連の制裁決議で禁止されている物品を輸送していたとして、今月5日付で船舶4隻を対象に世界中の港への入港を禁止する、前例のない措置を取ったと明らかにした。

 グリフィス氏は「制裁委員会によって4隻の船舶が指定された。資産凍結や航行禁止ではなく、入港禁止措置だ」と述べ、「非常に迅速で断固とした行動」だと強調した。

 同氏はすべての国連加盟国に開かれた会議の最後に入港禁止措置について語った。北朝鮮の外交官らもその場にいたが、発言はしなかったという。

 関係筋によると4隻は、8月に安保理で採択された米国提案の制裁決議で輸出が禁止されている石炭や海産物、鉄鉱石を運んでいたという。先月には制裁が強化され、北朝鮮製の繊維製品の輸出禁止や、海外で働く北朝鮮労働者への就労許可発給の原則禁止、北朝鮮への石油輸出制限などが盛り込まれた。

 関係筋によると、入港禁止措置の対象となったのは「Petrel 8」「Hao Fan 6」「Tong San 2」「Jie Shun」の4隻。世界中の船舶の位置などを確認できるウェブサイト「マリントラフィック(MarineTraffic)」によれば、「Petrel 8」はアフリカ沖インド洋(Indian Ocean)の島しょ国コモロ船籍、「Hao Fan 6」はカリブ海(Caribbean Sea)の島国セントクリストファー・ネビス船籍、「Tong San 2」は北朝鮮船籍。「Jie Shun」の情報は同サイトになかった。(c)AFP