■経済的な影響に不安を抱く住民も

 一方、カタルーニャ自治州の独立機運の高まりによって特に懸念されているのが、地域経済への影響だ。ピレネーオリアンタルの商工会議所で会頭を務めるベルナール・フールカデ(Bernard Fourcade)氏は、カタルーニャ危機によって起きる経済問題は十分話し合われていなかったと指摘し、カタルーニャの独立は「非現実的に思える。(独立すれば)欧州連合(EU)離脱を余儀なくされるだろう。複雑な問題だ」と語った。

 カタルーニャを含むフランス側とスペイン側の両方で事業を営んでいるレイモン・ミジャベラ(Raymond Mitjavila)氏は「経済的には大混乱だろう」と懸念を表した。同氏の商売の売上収益の45%はスペイン側からのものだ。

 ピレネーオリアンタルの住民の多くがそうであるように、ミジャベラ氏の両親は独裁者のフランシスコ・フランコ(Francisco Franco)政権時代にスペインから逃れて同県にやって来た。

「今起きていることにはとても頭に来ている。私の気持ちは彼らと共にある」と、ミジャベラ氏は独立派に共感を示す一方で、「今起きていることは怖くもある」と本音を明かした。(c)AFP/Antoine GASQUEZ and Christophe PARAYRE